MECEとは?
ロジカルシンキングの基礎とされている「MECE」。MECEを理解することはビジネスにおいて極めて重要であると言えます。そこでこの記事ではMECEについて詳しく解説しています。ぜひ最後まで目を通すようにしてください。
そもそもMECEとは?
「MECE(ミーシー)」とは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字で、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味しています。つまり「漏れなく・ダブりなく」ということで、経営学や経営コンサルティングなどの領域でよく使われる用語です。アメリカの戦略系コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーに所属していたバーバラ・ミントによって開発された概念です。現在ではロジカルシンキング(論理的思考)の一手法として広く用いられています。
MECEになるケースとならないケース
人を年齢により分類した場合、ある人が30歳と31歳に同時になることは不可能なので、重複なしということになります。またすべての人がX歳という集団に属することになるので、漏れなしとなります。このケースではMECEが成立します。一方、人を職業で分類する場合には、無職の人や兼業の人もいるのでMECEとはなりません。人を性別で分類する場合もLGBTや両性具有など例外が生じるためMECEにはなりません。
MECEの用途について
プロジェクトに関連する要素の抜き出しやWBSの策定、商品企画や各種調査項目及びその対象の選定など、網羅性が求められる場面でMECEの考え方が用いられます。
MECEが重要視される理由
MECEが重要視される理由はロジカルシンキングの基本となる考え方だからです。ロジカルシンキングにおいては物事を順序立てて考えを進め、矛盾が生じないようにしなければなりません。その際に「漏れなく・ダブりなく」というMECEの考え方が重要になるわけです。またマーケティングにおいても、客観的かつ論理的な思考が求められるため、MECEは必要不可欠ということになります。
MECEのアプローチ方法
MECEのアプローチ方法は大きく2つに分けられます。ひとつは「トップダウン・アプローチ」で今ひとつは「ボトムアップ・アプローチ」です。それぞれメリットとデメリットがあるので注意してください。
トップダウン・アプローチ
「トップダウン・アプローチ」は全体から大枠を決め、そこに要素をはめ込んでいく方法です。全体像が明確なケースや分類が想定しやすいケースでは有効な手法といえるでしょう。メリットとしては物事を俯瞰的に考えることができ、最終目的を意識した分類が行いやすいということです。デメリットはそもそも全体像が明らかでないケースや、ゼロからのスタートとなるプロジェクトには使えないということでしょう。
ボトムアップ・アプローチ
「ボトムアップ・アプローチ」は思い浮かぶ要素をすべて洗い出し、それをグルーピングして全体像を明確化する方法です。メリットとしては未知の領域でも思考を始められるところでしょう。デメリットは思い浮かぶ要素の洗い出しが甘いと、分類が間違うことになり漏れやダブリが生じることです。
MECEの訓練方法
MECEを身に付けるためには訓練が必要です。まずはロジカルシンキングを実践し、自分なりに考えて作ったアウトプットを、同僚や上司にチェックしてもらいましょう。フレームワークの使いこなしが肝になりますから、反復練習して理解を深めることが重要です。
<まとめ>
以上、MECEについて解説してきました。ロジカルシンキングは商品の企画やマーケティングにおいて、大事であることがおわかりいただけたと思います。慣れないうちは戸惑うかもしれませんが、身の回りの小さな事から始めてみてください。