RPAって何?
現在多くの企業から注目を集めているRPAですが、その内容について正確にご存知ですか?この記事ではRPAについて詳しく解説しています。今後ますます導入される機会が増えていくので、RPAについて知っておくことはビジネスの基本になるかもしれません。
そもそもRPAとは?
「RPA」は「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称です。ソフトウェアロボット(ボット)または仮想知的労働者(Digital Labor)と呼ばれる概念に基づく事業プロセス自動化技術の一種です。従来のワークフロー自動化ツールでは、ソフトウェア開発者はアクションリストを作成してから、API(アプリケーションプログラミングインターフェイス)や専用のスクリプト言語を使用して、タスクの自動化とバックエンドシステムとのインターフェイスを構築します。
一方、RPAシステムは、ユーザーがアプリケーションのGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)で、そのタスクを実行するのを監視・識別してアクションリストを作成し、記録したタスクをGUI上で直接繰り返すことで自動化を実行します。これによりAPIを備えていない製品で自動化を使用する際の障壁を低くすることができます。
注目を集めるわけ
RPAが産業界から注目される背景には、少子高齢化とそれに伴う労働人口の現象があります。特にIT業界においては人手不足が顕著になっており、経済産業省が2019年3月に発表したした「IT 人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で79万人もの人材不足が生じるという結果が出ています。RPAシステムはAPIや専用のスクリプト言語を使ってプログラミングをする必要はありません。簡単なロボットであればプログラミングの知識が無くても作ることができるので注目を集めているわけです。
また政府の掲げる働き方改革は少ない労働力でも生産性を維持することを目標の一つにしています。この観点に立ってもRPAは有効に機能するということです。
RPAの得意な分野と苦手な分野
注目を集めるRPAですが得意な分野と苦手な分野は当然あります。得意な分野はバックオフィスの定型業務の自動化です。繰り返しの多い単純作業には特に適しています。実例を挙げると次の作業はRPAにより自動化が可能です。
・データの登録や転記
請求書や経費の処理、発注および受注、納品などの業務。
・社内アプリの操作
メールの送信やワークフローの実行。
・システム管理
営業支援システム(SFA)や基幹業務システム(ERP)へのデータ入力。
・同一性チェック
顧客データのチェックなど。
・Webサイトからの情報収集
株価調査や競合製品の価格調査。
一方、RPAが苦手とする分野は非定型作業です。ルールが多い業務やしばしば変更される業務、個別に判断する必要がある業務などは向いていません。しかし最近ではAIと組み合わせることにより非定型作業の自動化が図られるようになりました。
RPAの自動化レベルについて
RPAの自動化レベルには三段階のクラスがあります。順を追ってみていきましょう。
・Class1. RPA(Robotic Process Automation)
定型業務をソフトウェアロボットで自動化します。
・Class2. EPA(Enhanced Process Automation)
AIと組み合わせ非定型業務の一部を自動化します。
・Class3. CA(Cognitive Automation)
より高度なAIと組み合わせることにより業務の自動化のみならず意思決定まで行います。
<まとめ>
以上、RPAについて見てきました。現在はClass1の段階がほとんどですが、一部ではClass2の段階に入っている事例もあるようです。おそらく今後10年以内にはClass3の事例も珍しくなくなるでしょう。一般的な業務をすべてRPAに任せれば、省力化が進み人材不足の影響を受けずにすみます。一方、人間はよりクリエイティブな仕事に向かうことになるでしょう。